こんにちは、歌ピアノ講師のアワウダです。
講師とは教えることが仕事ではない
・「講師向いているかも」と調子にのって1年目におかした大失敗
・30歳に始めたバレエ初心者としての経験
それぞれを通して、講師という仕事に関して見つけた答えを記事にしました。
講師を始めた頃の失敗談

2年半前くらいから東京のとある音楽スクールにて歌とピアノの講師を始めました。
そのスクールには音楽を趣味として楽しみたい方、またプロを目指す方など様々通われています。年齢は様々ですが、大半が成人されている大人の方です。
徐々に体験レッスンを担当した生徒さんが入校を決めてくれる人数が増えてきて、正直「講師向いているかも」調子にのっていた1年目。
講師という仕事に対して徹底的に間違った考え方で大失敗をおかしてしまいました…
「厳しく指導して欲しい」は信じてはいけない
1年目に担当させてもらったAさんは、ピアノを始めたばかりの20代男性。
ストイックな性格で「厳しく指導してください!」と、とてもやる気に満ちていらっしゃいました。
その気持ちに応えたい!と、指導経験が浅いながらもあれやこれやと試行錯誤し
Aさんのレベルよりも少し上のレベルを求めるようなレッスンをしていました。
最初は難しいと感じることにも「頑張ろう!」というモチベーションをもって立ち向かっていたAさんですが、回を重ねると徐々にそのモチベーションが下がっていくのが見えました。
頭では分かっていても上手く出来ない…アワウダ自身も経験があるので、その苦しさを理解はしていたつもりです。
しかし「厳しい指導をして欲しい」の言葉を鵜呑みにしたまま「難しいけれど頑張りましょう!」と応援すれば、そのうちモチベーションは戻ってくると浅はかにも考えていたのです。
結局、なかなかモチベーションは戻らず。半年後、Aさんは退校することとなりました。
この頃の私は、意気込んでレッスンを楽しみにしている生徒さんほど思入れが強く空回っていました。
色んなことを教えてあげたいと意気込んでも、それは私自身のエゴでしかなく気付けなかった自分が今思い返しても恥ずかしいです…
「厳しく指導して欲しい」という言葉や気持ちはやる気の現れ。とっても素敵だし大事にしたい。
けれど、その言葉をそのまま信じるだけではいけないと肝に命じた出来事でした。
アメとムチのバランス
当たり前ですが、人は日々コンディションが違います。
体調がなんとなく悪い日や、お仕事後にレッスンに来る時には身体も脳も疲れている状態。
たとえ好きで始めたピアノや歌であっても疲れから100%楽しめなかったり、頑張りたくても集中が出来ない日もあります。
Aさんのレッスンのことを思い出すと、その日のコンディションを伺う配慮が私には足りなかったと、今更ながら反省しています。
ピアノの指導を優先しすぎて、生徒さんの気持ちや下がるモチベーションのフォローをしてあげられなかった。
「なんだかお疲れですね。そんな日もありますよね〜。」
「今日はちょっと別のアプローチで練習してみましょう!」
「難しいですね。ちょっと飛ばして続きに進んじゃいましょうか!」
その日のコンディションに合わせてアメとムチのバランスを変えられたのなら、Aさんは退校せず音楽を続けられたかもしれません。
楽しくないと続かない!【講師編】
音楽の講師ですから、音楽の知識や苦手を克服する為のアドバイスをすることが仕事だと考えていました。もちろんそれは間違ったことではありませんが、何事も楽しくなければ続けることが出来ません。
続けることが出来なければ、その人にとっての音楽人生は終了。私の講師としての役割もそこで終了してしまいます。
今一度、自分自身がなぜ講師を始めたんだろうと原点に立ち返った時
音楽をより多くの人に楽しんでもらいたい。音楽は楽しくなければ意味がない!
そんなシンプルな原点に1年かけて戻ってきたのです。
それからというもの、講師としての仕事は教えるではなく 共に教わる に変わりました。
その日のコンディションや生徒さんが感じていることに敏感に察知し、どうしたら楽しく出来るのかを生徒さんから教わる姿勢を忘れないようにしています。
やりたくないことはやらない!ゴールへの最短距離を探すことに徹したのです。
>>「ゴールへの最短距離」についてはこちらの記事で紹介しています!
30歳バレエ初心者を経験して気づいたこと
30歳は節目の年…何かやらなきゃ!と衝動で
アワウダ30歳にしてバレエ初心者を始めました。
楽しくないと続かない!【生徒編】
高校生の頃からHIPHOPやJAZZダンスをやっていたアワウダ。いつかダンスの基礎になるバレエをやりたい!と思いながらきっかけを見失い向かえた三十路。
「今年やらなかったらもうやらないよなぁ」とか理由になりそうでならない言葉を胸に、年末ぎりぎりバレエスクールの体験レッスンへと走りました。
クラスは超入門という一番下のクラス。とっても優しく笑顔の可愛いT先生。上手く出来ないながらも新しい事をするのが久々でとっても楽しく、毎週レッスンに通うことにしました。
ある日、T先生の代行で別の先生のレッスン。
とても熱意のある方で心底バレエが好きなんだろうな〜と思いながらレッスンを受けました。
しかし、正直言って楽しくなかったんです。
恐らく、いつもよりレベルが高くてほとんどついていけなかったことが一番の要因。もちろん努力不足で悔しさもありながら、何となく取り残された感じが楽しくない気持ちの正体でした。
次の週も同じ先生の代行でしたが同様の感覚があり、3周目は気が進まずお休みをしてしまいました。
バレリーナにはならない
その時のレッスン内で先生がしきりに「バレエはこういうもの!」と、バレエの正しさを強調して指導してくれたのを覚えています。
しかし求めるレベルは超入門クラスにはちょっと遠くて、心の中で「別にバレリーナにはならないしなぁ…」と感じたのが、取り残された感覚 だったのだと気づきました。
もちろんこの先生が悪いわけではなく、生徒の求めているものと違ったというだけ。
求めているものを見誤ると相手は取り残された感覚になる。
身をもって知った瞬間でした。
成長よりもアメが欲しい
代行の週は終わりT先生が戻ってきました。相変わらず笑顔が可愛い。(にやにやしてしまうのを抑えるのに必死)
私にとって初めてのバレエの先生であるT先生。T先生のレッスンはアメとムチのバランスが最適です!
その日の生徒さんの様子に合わせてレベルを変えたレッスンをしてくれるので、「出来たっ!」という感覚を必ず残してレッスンを終われるようにしてくれます。
集団レッスンなので生徒によって差はありますが、必ず初めてレッスンを受ける生徒(一番下)に合わせてくれる。そうすれば全員が「出来たっ!」という感覚を持ってレッスンを終えられます。
目標にむかった成長なんて大きいものより、目の前に差し出されるアメちゃんの方が欲しいのが本音だと気づきました。
まとめ
講師とは教えることが仕事ではない。
共に教わる関係性を保つことが重要。
講師側も生徒側も体験して見つけた、私なりの答えでした。
今思えば、講師を始めた頃から生徒さんと共有する時間は、確実に講師の私自身にも多くの学びをくださっています。失敗して落ち込んで、その答え合わせが出来た気分です。
私がこのブログを書き始めたキッカケにも繋がりますが、日々の生活で仕事以外の時間やコミュニティを持つ事は人生を豊かにすると考えています。
これからも講師という仕事を通して、より多くの方と学びのある時間を共有出来るように精進していきたいと思うばかりです。
「ピアノを始めたい!」「歌がもっと上手くなりたい!」などの気持ち、ぜひ聞かせてください〜!
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